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203 三月うさぎの不思議なテーブル
[ 他人を羨むことがなかったわけでもない。
自分の椅子にのうのうと座った後輩を
妬んだ日もある。
しかし自分を見直すには、いい機会だった。
削れた心を埋めるにもまた、いい日々だった。
あの頃の俺と来たら、目に入るもの全て
破壊してしまうような目つきをしていたから。
可哀想と言われなくなった頃には、
今の生活が気に入っていたかな。
バイク以外の好きなものを探す時間が出来て。
引退報道から三年もすれば、
街中で声を掛けられる事もほとんどなくなり、
ひょいと、予約もしていない店に
訪れ、気に入りの場所になることも、
あのまま無理矢理に走っていたら、
見えないものだったと今思えている。 ]