【神】 錆鉄御納戸 ミズチ 夜へと向かう、黄昏時の街のどこか。レトロな雰囲気をかもす傘つき街灯の上にしゃがみ、五色に輝く透明の玉を空へと飛ばすミズチの姿があった。所謂、シャボン玉遊びである。 ミズチは呼吸を必要としないが、空気を吸って吐くことは出来た。その他にも味覚をはじめ、絡繰には必要ないが人体に存在する機能のいくつかも備わっている。 人通りは少ないが全くないわけではなく、ミズチを見上げて通り過ぎる者は度々あった。彼らのことを気にした様子もなく、ミズチは泡を飛ばし続けている。日付が変わった頃と変わらず、やはりどこかぼんやりとしているように見えるだろう。 (G0) 2021/12/11(Sat) 6:54:42 |