【神】 被虐 メイジ「────フジノ?」 耳をつんざくような悲鳴 >>G0 が聴こえ メイジは慌てて二階へと駆けあがった。 途端にただよう奇妙な匂い。違和感。嫌な予感。 「フジノ、一体どうし──」 そして、視界に飛び込んできたのは、鮮やかな赤。 「────ひッ……」 メイジは目を疑った。足が竦んだ。 むせ返るにおいに、吐き気を催した。 一体誰が? なぜ? どうして? ──いや、今はそんなことを考えている場合ではない。 「……だ、誰か……誰か……っ!!!」 少女の悲鳴に続いて、二階から、少年の叫び声が響く。 今の少年には、大人を呼ぶしか選択肢がなかった。 とある病室を覗いたメイジが見たのは ──この間、取引をしたばかりの商人の変わり果てた姿だった。 (G1) 2021/07/07(Wed) 13:20:37 |