【神】 因幡 理恵[身を清め終わった頃には、すっかり体が冷えていた。 爪先を湯につけると、じわりと肌が泡立つ。湯に体を沈めれば、こわばっていた体がじんわりとほぐれていった。 先に湯に浸かっていたフウタの膝に座る>>G19。そうすると深さが程良い。家の湯舟は理恵には大きく、縁を掴んでいないと溺れそうになる。 いつも以上に広いものの、フウタに抱えられていれば溺れる心配もない。安心してぼうっと空を眺めた。 二秒ほど。 そして飽きてフウタに向き直り、口づけを落とせば、背中を抱き寄せられた。 髪の毛を濡らしたフウタは、妙に色っぽい。みずもしたたるいいおとこ、というやつだろうか。言わないけど。 ちゅ、と啄む口づけは、徐々に深くなっていく。軽やかだった音が、幾度も口づけるたびに、徐々に水っぽく、淫靡さを増す。フウタの息が色づくだけで、腹の底がじんと痺れるようだ。] は、……は、ふ、 んン…… [舌を差し込まれれば>>2:G20、眉をよせて呻く。 自分のものより長く太いそれは、受け入れると少し苦しい。それでも、好き勝手に暴れまわるそれに、必死に答えようとする。 絡められる舌先を合わせたり、ねじ伏せられる舌の裏をくすぐったり。唇の裏や歯列をなぞられれば、「ん、ンん、」どうしようもなくてぞくぞくと震えるばかりだったが。 生々しい音を立てて唇を解放された頃には、すっかり腰が砕けて、フウタに支えられなければまともに姿勢を保てなくなっていた。 うっとりとフウタを見つめれば、揶揄される。] ……食わせてやっとるだけじゃ。 ふうた以外には、 そうそう、 捕まらんし…… ……ん、 [言ってから反論にさえなっていないことに気づいて、「やっぱ今の無しじゃ」と取り消そうとした言葉は、すぐに二度目の口づけに奪われたか。それは、一度目よりは短かった。] (G2) 2021/01/03(Sun) 8:05:56 |