人狼物語 三日月国

145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】


【神】 焦燥 フィウクス

晴れない気分を引き摺ったまま、向かう先は飼育小屋。
その道すがら他の飼育委員や生徒とすれ違ったかもしれないし、
誰ともすれ違う事はなかったかもしれないし。

ともあれ立ち並ぶ飼育小屋の前に来て。
兎小屋の様子を見れば、既に世話は済んでいる。
先客の居る鶏小屋には何も言わず前を通り過ぎ、
モルモット達の小屋の扉をきいと開いた。

「服をかじるな」

床材や牧草を入れ替えて、水も新しいものに取り替えて。
ふと寄り付いた一匹が服の裾にちょっかいを出せば、
一つ文句を零した後、ひょいと持ち上げて仲間の元へと放す。
この乱暴者が動物を虐げた事は、これまで一度もない。

「…………」

人に、仲間に、気儘に寄り付き、気儘に離れ、気儘に過ごす。
そんな小屋の動物達の様子を見て、暫く黙って苦い顔をしていた。
(G3) 2022/04/30(Sat) 14:00:14