【神】 遊惰 ロク 雨風の音を裂く少女の悲鳴>>G0、 次いで聞こえた少年の叫び声>>G1。 聞こえた方へ弾かれた様に走り出す。 ――近づくにつれ、鉄錆の匂いが鼻をつく。 はじめに聞こえたのは少女の声だった。 何ぞ大事でもあったかと、嫌な汗が背を伝う。 屋内、それほど長くは無い距離で、息が切れる。 あァ、たった何日かでもう体力が落ちてンだなァ。 思考するまでも無い様な事が頭に浮かぶ。 「お前ら、……ッ、はァ、無事か……!?」 辿り着けば一つ深い吐息を間に挟んで、 何より初めにそう問うて。 ――それから、室内の 赤 を見た。「……ッ、…………ぁンで、」 なんで、と言ったらしかった。 答えを知るであろう人は、そこで冷たくなっている。▼ (G4) 2021/07/07(Wed) 16:43:47 |