【神】 風雪 世良健人>>G7 生徒会室 「じゃあ、今までの騒ぎが収束してたのは生徒会のおかげだったのか。 それなら……風紀の方もどっちも、知ってのことだったんだろうな。 そりゃあ損害なりなんなりが尾を引いたりしてしまわないわけだ」 片一方が知り及ぶところであるなら、もう一方が知らずであるとは考えづらい。 結託するにしても拮抗するにしても、同じ情報は共有しておかねば立ち行かないからだ。 そしてそれなら学校側も知っている事、そこまでを確認して表情が更に気が抜けた。 信頼がある。今まで自分を受け入れてきた学校の周知のことならと、取っ掛かりは抜けたようだ。 自分のことへと話題が移ると少しだけ目を細めた。 カリカリと紛らわすように筆を進めながら言葉を耳に入れて、少し考える。 自分のことを見つめ直すのは、なんだか無責任な推測よりも慎重になる。 「そうだな、俺もきっと少し期待してみたくなったんだろうな。 自分が持ってる異能ってやつに賭けられるなら……結局はそんなこともなかったけど。 あとはさ。突っぱねるばかりで先んじて行動してみないわけにもいかないだろ。 どんな形でも先輩風吹かしておかないと、頼りがいがないからさ」 そうして頭に浮かんだのは、自分に薬を渡してきた人物のことだ。 誰であるかというはっきりとは言わない、関わった人間が誰かを知っているなら推測できるだろう。 少なくとも、自分から責任を持って選んだことだ。 (G8) 2021/11/07(Sun) 14:39:31 |