【神】 兎系 ニア>>*1 「……あんたは今、悲しんでるわよ」 どうしてあんな言葉を掛けたのか、あのときは分からなかった。 今もまだすこし、腑に落ちない。 人殺し 餓狼は、後悔なんて欠片も持ちえなかったはずなのに。 「“分かったようなことを言わないでください”。 アンタが、僕の何を知っているんですか?」 ……下手くそな笑顔が、見ていられなかった。 知らなくたって、なにかをしてやりたかった。 ――酷い話だった。傷つけたのはわたしなのに。 「あんたは――シトゥラは自分のせいだと言っていたけれど、 自分のしたことを背負ってもらうほど、子どもじゃないわ」 だからやっぱり、あれはわたしだけの罪で。 (→) (G13) 2021/05/01(Sat) 15:40:21 |