【神】 緑山 宗太朗「……今日は大胆な日?」 囁かれて心臓が痛いくらいに跳ねた。色っぽさを感じる仕草は心臓に……悪い。 「 いいよ。 」と言葉を小さく返したのは、先の有言実行の成果でもあり、動揺を隠す為でもある。くしゃりともっと地肌に近い所へ手を伸ばした。首に近い所から頭の方へ登っていって、するする通る髪を堪能するように、髪に手を通しながら。 手のひらには愛おしさが熱となって湛えられている。 缶も空いたし片手も自由。そっちはさっき添えられた手を取って、すりすりと親指の腹で手を撫でている。 自分より小さい手だな。多分、ケアを怠ってないのはこちらもなんだろうとずっと触っている。 「美海の肌ってすべすべだよな」 「こっちも触ってて飽きないんだよなぁ……」 そんな事を言っている。髪はサラサラで綺麗。手肌はすべすべで滑らか。 ……そして唇は、つやつや。 どうしても目が引かれてしまうのを、手元の感覚に集中して隠そうとしていた。 しかし、この男はこと顔に出やすいタイプだから……無駄な努力、かもしれない* (G19) 2023/03/11(Sat) 14:09:12 |