【神】 因幡 理恵[けれど、ずるりと引き抜かれる感触に「ぅ、」小さくのけぞって、抜かれてからもこぽりと何かがあふれ出る感触に、眉をひそめる。 そしてあることが思い当たって、さっと青ざめる。顔を覆っていた手を外し、毛布で体ごと隠そうと身をひねって、それよりも早く甘い刺激が走り、悲鳴を上げた。] ふ、フウタ! 何しとるん、うぅぅぅ、 [何が起きたのか分からずに半身を起こすと、いつの間にか足の間にフウタが屈みこんでいる。髪が太ももに当たってくすぐったいのもあるが、それ以上に彼が口付けている場所に気を取られた。ちゅう、と吸い上げられれば、体の中から引き出される気配を感じて、声を上げて逃げ出したくなった。] 吸うなふうた、そんな、そんなもの……! [言葉とは裏腹に、悦がぞくぞくと背筋を駆けて、体の制御がままならない。頭を引きはがそうとしたつもりだった。けれど、震える手では髪を力なくかき乱しただけ。 爪先をぴんとのばして、成す術もなく身悶えして──すべて吸い上げられて、芽に口付けられれば、こんな時にまで悦びを覚える体を恨んだ。 フウタが覆いかぶさってきても、目を合わせるのが恐ろしい。あんなものを吸わせてしまったことが後ろめたくて、再び手で顔を覆い隠していたが──] (G19) 2021/01/04(Mon) 23:39:31 |