【神】 不運 フカワ「え……」 「ははっ……ははは」 乾いたようなそれでいて異様な声。 裁判所には似合わない音が響きわたった。 「アクタ、さんは。 聞いていてくれたんですね」 俺の話を聞いてくれている。 影響されて、そして理解ができないという。 「わからないことを、俺と同じようにわからず怒ってくれて。その上で選んでくれたんですよね。 ようやくあなたのしたことで、わかることが、ありました」 自分の名前を書かれること に、ここまでしっくり来たということは。俺は、 自分自身の行動が反感を覚えられる内容だとわかっていた ことになる。「俺がおかしいことが、またひとつわかった気がします。どうしましょう、嬉しくて」 口許手を当てて変な声が漏れそうになるのを押さえ肩を揺らして笑う。 「変えたくなってきました、投票」 (G54) 2022/02/27(Sun) 6:44:13 |