【神】 夜の一族 チャンドラ>>【ハロウィン】 >>G55 ポルクス 「……驚いた。確かに教養があるとは言ったけど。 あなた、王子様だったの。ポルクス」 どこの国にも属さないわたしたちにとって、王族というのは一生以上に縁のない存在と思っていたけど。 思わずクッキーを食べる手を止めたわたしは、ポルクスのことを見つめていた。 「わたしは、これで族長のひとりむすめなの。 一族のことに詳しいのも、戯曲のことを知っているのもそれが理由よ。 ……姫様だなんて呼ばれてもいるけど、本物の王子様の前じゃ霞んでしまうわね」 それでも本物を前にしてこうも堂々といられるのは、自分ならそうして欲しいと思ったから。 それを無礼ととるかどうかは人それぞれだけど、ここまで対話をしてきたあなたはそんなことでへそを曲げたりしないように感じていた。 (G56) 2021/10/19(Tue) 1:36:09 |