【神】 迷子の少女 竹村茜>>G49 アキラ 「なにそれ。シュンが気にしなかったら良かったってこと〜?」 冗談めかして笑って。 「……あたしだって好きだったよ。 そうじゃなかったら、戻ってきてないよ。 一回追い出されたみたいになってもさ、ずっとずっと考えちゃってたくらい ここの暮らしが楽しかったもん。 3人で…ううん、皆とずっと一緒にいられたらいいのにね。いっそまた田舎に越しちゃう? なんてね。いっぱい聞きたいな、アキラのこと」 勿論、あたしのことも聞いてもらうけどね。 あとでシュンや卯波にも聞きたいなと無邪気に、あの時と変わらない笑顔で。 玄関をくぐり、誰もいない寝室へと向かった。 昔、雨の日に集まって遊んだことのあるこの部屋には家具もほとんど残っていないけれど。 懐かしい気持ち。 2つ、1人分の隙間をあけて並べた布団の上で寝転がった。 (G57) 2021/08/14(Sat) 1:11:04 |