【神】 強火の愛・窮途潦倒 ゲイザー>>G73 「唐突すぎるから馴染みが薄いんですよ。ルヴァさん、あんまり威圧感もないし。ヘイズさんやサダルさんに教えを乞えばよかったかもしれませんね。」 人当たりのいい性格をやめた最悪女はここぞとばかりに毒を吐いた。最悪! 「…………。成程。それは、間違いないでしょうね」 内心舌打ちをする。けどまあいい、事件を解決しようとするものは自分だけじゃない。……自分は『モス』を止めたら街を捨てるから、もう協力できることはなくなってしまうけど。 「……忘れたんですか?本当に? 私の発作を止めてくれた時のことですよ。あの時感じたものを“幸せ”だと教えてくれたのはルヴァさんじゃないですか」 「幸せだ」。と。そう口にする言葉を聞きながら抱きしめられた時の感覚を、女は決して忘れない。忘れるはずがなかった。 毒を吐いた時以上に女は顔を歪ませる。 (G75) 2021/04/26(Mon) 0:58:35 |