【置】 巫女 ユピテル空を一瞥。 夜と朝。見え方が違うそれに感傷めいた言葉はありません。 その瞳に何が映ろうと、今から視るものは別物ですから。 中庭の物陰の一点を迷いなく訪れ、 幾重の禍を予兆しようとただ一つの怯えもない足取りは、 今は独り、森羅を抱く記憶と魂を重ね、其処を視ます。 言葉は、解き放たれていました。 その者の命は其処にあると、まだ言えるのでしょうか。 『脆く消える存在は、魂のみの存在を是とするのか』 それは虚構と、視ない貴方達 は例えるでしょうか。 これが始まりであっても、巫女にとっては廻る刻の一つ。 何一つ汚れていない手を、ちゃぷり、と。 朱の噴水の中に禊のように入れ、暫し目を閉じ続けていました。 (L0) 2021/10/18(Mon) 4:30:36 公開: 2021/10/18(Mon) 4:35:00 |