【置】 大図書館の司書 オベロン―キャメロットの地下について― かつて、マーリン様は仰られた。 「『脅威』とは、覆い隠して見ない振りをするものではなく、その恐ろしさと、確かに存在するという事を常に認識するべきである。 闇の魔術に対してもまた同じ。」 と。 マーリン様が魔族として、闇の魔術に長く触れて来た故の判断でもあるのだろう。 そして、マーリン様はこうも仰られた。 「危険を認識し、それでもなお探求を止めぬ――命を懸ける願いがあるなら、私にすらそれを止める権利はない。 ただし、 ただ他者を傷つける事を目的とした者。 無知に付け込んで、闇に引き込もうとする者。 そうと望んでいない他者の心を操り、闇に堕とそうとする者。 これらは皆、 城の防護結界に弾かれて学院に踏み入る事叶わず。 これが闇の魔術に対する鉄則、そして秘匿されずに公然とキャメロットの地下に置かれている理由だ。 (L2) 2023/06/22(Thu) 2:56:14 公開: 2023/06/22(Thu) 3:00:00 |