[健人の前に座り込んで、おとなしく項垂れる。
>>?117 髪を優しく掻き分けられるだけで、小さく溜息が零れた。
消毒薬が染みて、びくっと肩が跳ねる。
傷、結構深そう。
健人、咬む力も強いから。
うっかり考えて頬が熱くなったから、緩く目を瞑る。
薬を塗り込めるために、健人の指が。
俺の、項に触れて]
……っふ、 ンぅ、〜〜〜………
[ふる、とむずかるように頭を振る。
髪が首筋に擦れるだけで辛い。
肌が過敏になっている。
涙目で口元を両手で覆って、健人の指が
傷跡の上を蠢く度に、漏れ出る声を押し殺した。]