人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【鳴】 志隈

──淡色の球体3──

[どんな職業にも向き不向きと言うのはあるものだ。
無愛想な少年は命令される事に疑問を持たず、
明確な理由があるなら人を傷付ける事が出来、
兵士には比較的向いてる方だったろうか。

同じ頃に兵士になった少年達の中には、
向かないものもいた。
人の怨みに怯えて、足が竦んで動けなくなるもの。
夢に見ては憔悴し、上官の圧にも精神を削られ。

無愛想な少年は彼に、
最初、軍を辞める事を勧めたが、
逃げ出す事すら彼は無理だと泣いた。

訓練と戦場を繰り返した。
飲み会や少年達だけで話もした。

だが、友情を育んでも、
出兵する度、彼はどんどん追い詰められていった。
このままでは遠くない未来に狂ってしまう。]
(=13) 2020/10/03(Sat) 21:31:19