【鳴】 志隈──淡色の球体3── [どんな職業にも向き不向きと言うのはあるものだ。 無愛想な少年は命令される事に疑問を持たず、 明確な理由があるなら人を傷付ける事が出来、 兵士には比較的向いてる方だったろうか。 同じ頃に兵士になった少年達の中には、 向かないものもいた。 人の怨みに怯えて、足が竦んで動けなくなるもの。 夢に見ては憔悴し、上官の圧にも精神を削られ。 無愛想な少年は彼に、 最初、軍を辞める事を勧めたが、 逃げ出す事すら彼は無理だと泣いた。 訓練と戦場を繰り返した。 飲み会や少年達だけで話もした。 だが、友情を育んでも、 出兵する度、彼はどんどん追い詰められていった。 このままでは遠くない未来に狂ってしまう。] (=13) 2020/10/03(Sat) 21:31:19 |