【鳴】 マジシャン 夜長[神様の加護にはきづかず 何時もよりも早く外れる音に少し目を見開き、後頭部を撫でる彼の背へと腕を回し、一度抱きしめれば、もっとという言葉に答えるように顔をあげて彼の唇へキスをした。唇と唇を重ねれば互いについた水滴が交じり合う。それだけでは足りなくて、彼の下唇を軽く噛み、咥内へ。 歯列を舌先でなぞり 口を大きく開けてと訴えれば] …ん はっ 触って 欲しいのは何処だ? 全部教えて … 欲しいところ全部触るから ―― ちゃんと 教えて [入り込む合間、そう問いかけ。 咥内を蹂躙する為の舌を滑り込ませた。彼の舌を捕まえれば舌腹と舌腹を擦り合わせ、ちゅ、くちゅと唾液を混ざりあう音を鳴らし、彼と蜜を分け合い。息が苦しくなるまでその唇を味わっただろう。もちろん、舌だけでなく凹凸とした部分を舐めたり、歯列の裏や頬肉を内側から味わったりして 蕩けさせれば、銀色の糸を張り ――彼への促しのごとく 未だ布に包まれた逸物をひとなぞりした。 彼が欲しいのは何処か、――追い詰めて探るよう。 *] (=23) 2020/12/30(Wed) 15:12:12 |