【鳴】 上原 隆司[>>=27素直に「帰る」と言う矢川に安心しながらも、上原は少しだけ「帰りたくない」と甘えられたときを想像した。 可愛らしくてたまらなくて、帰したくなくなるだろう。そして、帰さないわけにはいかなくて、とても困ってしまうだろう。 そんなことを考えながら、上原は手を握り返して苦笑した] ……煙草吸わない家だと、来客の匂いが 残って気づく人がいるから。 どうしても家には上がりにくい……。 ごめんな。 [そうなったとき、上原は自分がどう思われるのかも、蛍が何を言われるかも、どうしても不安になってしまっていた。 彼女が望むように一緒にいられないことが歯痒いとも思っていた] (=30) 2021/03/04(Thu) 18:41:10 |