【鳴】 琴羽の天狗 時見[ゆらり、ゆらりと。 死霊の群れが、俺の横を通り抜けて行く。 先程までのおぞましいまでの必死さや 底冷えするような死者の禍々しさは消え失せて。 その瞳に映し出されているのは、 ただ、灯火の明かりのみの様だった] まさか、こいつらが狙っていたのは…… いや、辿り着こうとしていたのは、 それ、なのか……? [てっきりこいつら全員、 琴羽の身体を狙っているものとばかり思っていたのだが。 ……そうでは、無く。 灯火のあたたかな光に照らされた死霊の気配が掻き消える。 中には仮装した身体がとさりと倒れ、 何かが抜け出した様なものもいて] (=74) 2020/10/27(Tue) 0:49:06 |