人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【雲】 彼方をのぞむもの シヴァ


「呪われてあれ」

最後の部屋の扉を開いた時に聞こえた声。
理解をするのに数秒を要した。
多分、これが呪いの品になった。
実際スキルを使って見てみれば、死の呪いが見えた。

遺跡の作者は嫉妬心やプライドの塊であったから、
死だなんて重い罰をくだすのならそれは、
本気で殺そうとしてのそれだと理解できた。

が、呪いは効果を持たなかった。どうしてか。

呪いの種類には覚えがあった。
魂の萎縮──ここでの魂はゲーム的に言えば、MPやMAGのこと。
それらの上限が減少していき、それに伴い精神的にも弱っていく。
最終的には恐怖に苛まれて死ぬ呪いだ。

そうであるはずだから、何も起こらないことには疑問しかなかった。
気付かない内に魔法が使いづらくなっていたり、
だなんてこともない。それくらいは感覚でわかる。


彩雲の夢
(D2) 2024/02/05(Mon) 19:25:22