[汚くないよ
>>D15と応える代わりに
摩られた爪の先で、史郎の掌をくすぐった。
汚くない、悪い子じゃない。
困惑した表情をする史郎へ
真新しい首輪を取り出してみせると
朝日に綻ぶ花の蕾みたいに
顔の色が変わっていく。
つけやすいよう、首を上げてくれて
本当にいい子。
血管の色を透かせた首元に
かじりつきたい様な気持ちを堪えて
俺は舌先で乾いた唇を湿した。]
俺の、シロくん。
[首輪に手をかけ、仄かに頬を染める彼を
甘い声音で呼んだ。]
(D22) シュレッダー 2021/03/20(Sat) 11:00:04