【雲】 使用人 リフル───ぶじ、ですか お嬢様…… [斬った男たちの安否は……わからない。 多分殺したと思うけれど、しっかり確認できた訳ではない。 立っている人間が自分だけになって、 ようやく血に染まった顔で彼女を振り向いた。 怖い思いはさせたくなかったが、 無事を確認しないと倒れられない。 彼女がそこにいてくれたなら、 その場に崩れ落ちるだろう。 彼女が恐ろしいものを見る目でこちらを見ていても、 軽蔑のまなざしを向けていても、 気にしなかった。 生きていればそれで。 それだけでいいんだ。 流石におおごとになって周辺から人が集まって来ただろうか。 薄れゆく意識の中で、そんな喧騒を聞いたかもしれない。**] (D66) 2020/10/04(Sun) 10:57:16 |