【雲】 サティ家次期当主 シャーリエ[三人の間を風になってリフルが走り抜ける>>D65。 細いのは腿を、長いのは喉を、太いのは腹を。 鬼神のようになったリフルの前にあったのは三つの人だったものだけだった。 細いのは虫の息、太いのは叫び声も枯れてきた。 長いのはリフルに太刀を食らわせたところからぴくりとも動かない。 どれも残り短い命だろう。増援を考えなければいけない今、かまっている時間はない。] [私は「衛兵を呼んで!」って腹から声を出して、持っていた靴をできるだけ遠くに投げた。 それから赤にまみれたリフルと向き合った>>D66。] りふる…… ごめんね、ごめん…… [泣きはらしてうまくしゃべれない。 芝生の上に倒れていた彼と、麦の上に崩れた彼が重なって、 焦りと後悔が積み重なっていく。 隣に座って血を浴びた腕を指先で拭っていく。 そのうちに傷口に気づけば、そこから沸く血に涙を流した。 今日お酒飲みたいって言わなければこうならなかったかな。 胸元にあったリボンをほどいて、彼の右腕にまきつけるけれど、止血の役に立つのかは頼りなさすぎる。] (D73) 2020/10/04(Sun) 22:05:23 |