【人】 聖杯のジン ナディル>>3:13 シャフリヤール:秘密開示 辺りに満ちてゆく紫煙のなかで シャフリヤールは滔々と自らの罪を語った。 くだらぬ、くだらぬと唱えながら かつての恋人のことを語る男は 誰より悔恨に囚われているようで、 それは何処となく…ナディルを今の姿に変えた 契約者の女に少し似ていた。 『さあ、語れ、『死神のジン』よ。』 いつになく上機嫌な舌回りで 稀代の為政者は謡う。 その声に魔術的な力があるというのは 確かに嘘では無さそうだった。 「──では、何から話そうか。 お前を楽しませる話ができると良いが。 母の話から始めようか……」 (0) kintoto 2021/09/20(Mon) 21:14:21 |