![]() | 【人】 衣狩 颯人─ 星架祭りに赴く少し前/食堂 ─ [こちらに戻ってきて まさか自分の芝居を観た人に会うとは思わなかった。 しかも男女の配役を逆にしただけでコメディに成り得る題材を 物語の本筋通りに観てもらえるようにと演じたものだ。 中世的な身体つきの者では意外性が無いと 自分が抜擢されたヒロイン役は 下手を打っていればただの道化であったろうが、 目の前の彼から伝わる様子を見るに>>1:56 きちんと観てもらいたいものを演じられていたようだ。 意識せず浮かんだ笑顔のまま、 ありがとうございます、と言いかけたのだが 彼から続けて問われた もう劇はしていないのか、の声に少し止まって] えぇ、まぁ。 両天秤に掛けられる程 生半可な気持ちではやってなかったんで。 [そう答えた笑顔は、先のものと同じに見せられただろうか。 それから改めて、ありがとうございますと礼を言った後 どうぞごゆっくり、と笑って席を離れていった*] (0) 2024/08/22(Thu) 2:08:59 |