【人】 「狂」の神 アネーシャ>>1:16>>1:17>>1:18 ゼノン返信 ゼノンの答えは美しい。いつだって真っ当で、曇りなく、揺るがない。 それこそが彼が「帝」と呼ばれる所以なのだろう、――アネーシャには理解できないが。 望む答えは得られず、あるいは望み通りの回答を聞いて、アネーシャはただ「ふうん」とだけ言った。 それは無意味な問答だった。 ゼノンからは美しい答えしか――つまらない答えしか返ってこないことは、もう何百年も前から知っている。 それでもわざわざ探して問うたのは、その美しさが恋しくなったからかもしれない。 「天様は次の世界に興味がないのかしら〜? わたくしはね、天様ぁ。 ――もう一回天様が神様をやったらいいのにって、今日は思ってるわ」 美しい世界のなかで、ほんの小さな綻びを見つけることを暫くの趣味としていたアネーシャの、 それは、確かに今この瞬間の本音だった。 【感情取得:好敵手(+)】 (1) kikimi 2019/10/05(Sat) 0:42:41 |