>>0目が覚める。部屋を見渡す。
悪夢を見たが、それ以上に帰って来れたという安堵が大きかった。
珍しく身体の上に乗っていた毛布から出る。素足で静かな廊下を歩きながらも、何か違和感があった。
浴室の方からやってくる貴方へ、小さく声をかける。
「……おはよ」
同時に違和感の正体に気付き、満足気な笑みが溢れてしまった。
普段ならとっくに朝食が作られている時間帯だ。
洗濯機は低く唸り、台所からは美味しそうな匂いがして、朝のニュースを映したテレビの音が聞こえる筈だ。家が静まり返っているのだから、企みは成功したのだろう。