【人】 御忍び シール──仮装祭りの夜(続き)── [そうして、幸せだったひと時から現実に戻される。 余韻に浸る暇は許されない。この部屋を占有できる時間は、とっくに過ぎているかもしれなかった。 外から退出を促されることはなかったが ]えっ、……このまま出かけるのか…? [サイズ違いだった服は 一度乱されはしたものの元通り 整えられていた。多少元通りでない部分もあるが 彼がコレ>>0:49と呼んだものをしまい込むのを、じっとりとした視線で恨みがましく睨みつけるものの、反発するだけの力が湧いてこなかった。 なので、本来ならばありえないと怒り出す提案も受け入れてしまう。 わたしはまだ、意識の一部を現実ではない世界にとらわれているかもしれなかった。 肩にかけられたマントを胸の前でぎゅっと合わせると、 先に出ていくエースの後ろをついていこうとする] (1) 2024/11/03(Sun) 23:54:48 |