【人】 こどもの アルレシャ>>1 スピカ 顔を上げると、大人がひとり。 「……っ、スピカ!」 アルレシャは透明な声を上げました。駆け寄って抱き締めようとしますが──やはり、手は空虚を切るだけでした。 「きてくれたのねスピカ……。 ほんとうに、ありがとう……」 どうにかして、自分がここにいることを伝えたいと思いました。 しかし声も姿も透明です。どうしたものかと唸っていましたが……ふと、貰った手紙が目に入りました。 受け取った瞬間、透明になった封筒と便箋。 なら、再び差し出せば見えるようになるかもしれません。 ……便箋とにらめっこをします。 (2) 2022/01/27(Thu) 18:28:15 |