【人】 「狂」の神 アネーシャ>>0 ◆ペノル返信 ペノルはいつも思いも寄らない場所から現れる。 此処にはいないだろうというところに現れて、それでいてさも当たり前とでも言わんばかりに自然にアネーシャの名前を呼ぶ。 いつも通りなのにいつも新鮮で、それがどうにも心地が良くて居心地が悪かった。 流石に此処にはいないだろうと雲の上でふわふわと雲下の様子を窺っていたところで、 やっぱり、声をかけられる。 「………… ペノルくんって、本当は知の神なんじゃない〜?」 いや違う、相性が悪いのであまり話したことはないが、知の神はもっと厳かで物静かだ。一緒にしてはいけない。 何の用か、と聞く前にペノルが主題を口にした。 決まったもの。 存在しているもの。 「……例えば、ワタシとの絆とか」 問いかけに、アネーシャはまるで少女のようにきょとんと目を丸くした。 アネーシャは“狂”の神だけれど“嘘”はつかない。 既に自身の中に存在しているものを、どうして不確かと言えるのだろう。 笑むことすら忘れ、反射的に口をついて出たのは、 (2) kikimi 2019/10/06(Sun) 23:46:28 |