【人】 商人 レオン「識別コード:SLJ-017、ポジション:マーチャント、クルーネーム:レオン・サルージャ、乗船しました」 手慣れた様子でゲートを通る長身の男。 浅黒い肌の手が画面のパネル上を滑らかに移動して、どこかに連絡を取っている。 それから幾ばくかの時間を仕事に費やして―――― 「…………何してんですか、キャプテン?」 扉の前での一部始終をカメラで確認して、深々と息をついた。 あれでもこの船の船長なのだけども。 普通に一人で荷物を積み込んで来たのだろう。 疲れてるのだか疲れてないのだかもうよくわからないテンションの上司をジト目で見やった。 「システム相手にギャグなんて通用するわけないでしょ。 あ、ミートパイ食べます? 一つだけ激辛デスソース入りのロシアンゲームですけど」 にっこりと笑い、パイを差し出す悪魔がひとり。 後ろに見える部下や同僚はすべてロシアンゲームへの強制参加者たちだ。 なぜならこれは。 「厨房に頼んで作ってもらった今日のご飯ですよ、おいしそうでしょ?」 (3) 2024/03/18(Mon) 0:08:53 |