【人】 酔吟 ミズガネ>>3 イクリール 朝、と言えるのか。 陽光の眩しさに目を開ければ、ここ数日トンと見なかった太陽の白。隣の彼女に声を掛けようとして、その姿がないのに気付く。ため息を吐いてから、勢いよく布団を蹴り、ブランケットを一枚引っつかんで外へと走り出した。 「……バカ。病み上がりでうろつくな。 日に当たるにしてもせめてもう少し厚着しろ」 やや息を切らして貴方の姿を見つけると、その背にブランケットを羽織らせて、さらに自分の上着も被せる。もこもこだ。 「……おかげで、おはようを一番に言いそびれた。 ……お前と太陽が見れる、とはな。 夢だが、……この境目みたいなもんだったのか?」 「イクリール。決めることがある。 ……これから、どうするか。 お前の国になら、多分今ならついていける。 或いは、……ここも消える訳でもなさそうだ。 お前は、どうしたい?」 (4) 2022/01/28(Fri) 4:21:28 |