人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【人】 寡黙 エミール

>>4 ディルク

第一印象は、軽薄そうな男。
それだけだった。

「……蟲使い」

蟲と獣の違いはあれど、他の者を使役する力。
その力自体は似通ったものだろうか。
ざわり、と。
向けられた目に対し、路地裏に潜む小動物たちが反応して威嚇する息遣いが耳に届く。

何かあれば盾にでもなるつもりだろうか。
一匹の猫が足元にすり寄って己を見上げていたから、大丈夫だと伝えて貴方に視線を戻した。

「……こんな路地裏に何用かと思ってな。
 まぁ……、祭りに紛れる気分でもないから付き合ってもいいが」

痣持ちは光に関わらず目立つ。
光っていれば祝福されるし、光ってなければ気の毒そうにされるし。
どっちにしろ、面倒なことこの上ない。
そこに居続けるよりかは、いくらかこの場のほうがマシに思えた。
(5) eve_1224 2024/02/09(Fri) 1:28:52