人狼物語 三日月国

113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】


【人】 埃運び オーウェン

>>@3

「誰に悪いことを、だって?」

都市の道すがら。相変わらず険の深い表情をした配達屋が、
異邦に向かう詩人を待ち受けていた。
傍には大鷲を連れて、その背を撫でながら。

「まさか忘れてた、なんて言うわけじゃないだろうな。

 仕事を持ちかけられたってんなら、
 そのチャンスを逃すわけにゃいかないんでね」

ホイッスルを片手にそう不敵に笑いかける。
埃運びは露ほども知らない。目の前の彼が、
やがて称されることになる名前のことを。その所以を。

「依頼料は受け取った。
 『もう行く』ってのは……“そういうこと”だろう?
 わがままな客の為にここまで出てやったんですわ」

封筒を片手に。配達屋に配達なんて、
とんだ皮肉をやってくれたもんだ。
お陰様で、怒りの力が行動まで赴いてしまった。
(5) backador 2021/12/19(Sun) 2:16:55