【人】 海底撈月 ヌイバリ>>4 古後 しばらくはあちこち体を確かめたり、眉間に皺を寄せてなにごとやら考えていたようだ。 顔色はまだ万全とは言えないが、それでもあなたを見るとぱっと破顔した。 「愛施!おかえり! ん〜…………ちょっと熱っぽかったんだけど、薬打って貰ったら楽になったよ。気が抜けたのかなあ。 あ、ちゃんと説明は聞いてたからな!目閉じてただけで、寝てたわけじゃないからな!」 少し考え込むような、誤魔化すような物言いだった。 死の予感は実際のところすぐ間近までやってきていてものだから、あれは薬の副作用だったのだろうと青年は考えている。 去った危険については知らせない方がいいだろう、と判断して、自分から言い出した約束は決して破っていないと必死にアピールする。 「あれ、そういえば愛施はもう注射したのか?」 なんだか予防接種もう行った?とでも言うような、気軽〜な問いかけが飛んだ。 (5) 2022/06/14(Tue) 21:28:14 |