【人】 北神 翡翠新車は以前より大きいけれど、ここ数日かけて都内を走り回ったので、車体感覚は掴めたと思う。正月三が日は道路も空いてて走りやすかったしね。 今日は休み明けで多少の混雑はあったものの、都心を抜けた後は快適なドライブを楽しむ事ができた。 冬の澄んだ青空の下、君とのトークや歌(?)を楽しみながら行けば、やがて目の前に海景色が広がってくる。 夏場と違って海岸にはほとんど人はいないが、時折景色を釣りを楽しむ様子が散見された。 俺たちも海を見ながら、去年の夏に行った海水浴の思い出話に花を咲かせたかもしれない。 やがて目的地に到着すると、付近の駐車場に車を停めて降りる。 「うわっ、寒ッ」 冬の海風が強く吹き付けて、思わず悲鳴を上げて肩を竦める。 帽子やマフラーは、しっかり身に着けておかないと、風に飛ばされるかもしれないよ。気を付けてね。 「……よし、まずはこの橋を渡って、 向こうにある神社にお参りに行こっか。 その後はここに戻ってきて、次はあっちの水族館に行こう」 こうして俺たちは、吹きすさぶ風に体をくっつけ合いながら 橋を渡って、地元に古くから祀られている水神様のお参りへ と向かった。 (5) 2024/01/05(Fri) 0:22:12 |