【人】 カリスマアイドル 行衡―BL号・大ホール― ……へぇ、すげぇ。 あんな大物まで乗ってるんだ。 [ウェルカムドリンクとして渡されたスパークリングに軽く口を付けながら人だかり>>3の方を見つめる。 普段であれば自分も若い女性に囲まれて黄色い歓声を浴びる立場ではあるが、どうやらこの船の客たちは今彼に夢中のようで、変装もおざなりの自分の存在に気が付いた者は居ないようだった。それも少し寂しいような心地はするが――] 今はその方が気楽かなー。 ま、ゆっくり羽伸ばそ……っと。 [大手事務所がプロデュースする万人規模のアイドルグループのオーディションを勝ち抜いて、目出度く席を勝ち取り不動のセンターの座を戴いては居るものの、連日週刊誌には女性関係であることないことを書かれ――“ある”ことも勿論書かれているが――マネージャーからは「少し休んできたらどうか」と言われ、渡されたのがクルーズのチケットだった] (5) 2022/01/05(Wed) 10:43:00 |