―事務員の話―
私は影を操る淫魔―――もっと正確に言うなら、私の本体は
影そのもの
だ。
だから年を取ることも無く、人数も、形も、居場所も不定。
何にでもなれるし、どこにでも現れる事ができる。
とはいえ、影は陽の下では消えるもの。
表の世界では、生きてはいけない。
だから私は、古くから「宵月」に事務員として勤務してきた。
書類作成から、臨時教諭やら、窓口担当に新入生案内まで、学園の雑務の大半をこなすのが私の役目だ。
それこそ、柊先生が学院にいた頃
>>2から。
彼女が私の事に気付いているかどうかは、彼女の語るにまかせるところではあるが。