【人】 導きの天使 サーリフ>>3 アルバリ 感情取得 成功 === 地上で散々神を無視した人間が、ここ煉獄においては地獄怖さで神に情けを乞うている。 煉獄の神殿は、サーリフからすれば、滑稽だった。 既に堕ちてしまっているのに、「神様どうか、せめて軽い地獄へ」などと、甘えたものだ。 神殿に興味はなかったが、神殿から少し離れた場所で……市場帰りらしく、果物の入った袋をぶらさげている……神殿を見ているアルバリには興味があった。 背後からそっと近づくと、気配を気取られたのか、アルバリはばっとこちらを向いた。 残念。もっと近づきたかったのに。 「なんだ……天使の片割れか」 「これでも、私にはサーリフという名があるのですよ」 「んでそのサーリフは何の用?」 「神に祈ったことはありますか?」 アルバリは、唐突な質問に、へ、と、小さく声を漏らした。 「救ってほしかったこと。神にもすがったこと。ございますか? 神殿にいる者たちの気持ちは、わかりますか? ……何かに、頼りたいと思ったことは?」 生きるには、心の支えが必要だ。 目の前のこの青年の心の支えは、何だったのだろうか。 連続して質問をしてから、聞きすぎだ、と、少し反省した。 [パス] (5) TSO 2021/09/17(Fri) 22:20:12 |