人狼物語 三日月国

237 【身内R18】冬来たりなば春遠からじ


【人】 北神 翡翠

三が日は過ぎたものの、向かった神社は参拝客で賑わっていた。
橋を渡った先に続く参道にはあらゆる店が立ち並び、食べ歩きできる温かいメニューなんかも並んでいる。
昼食にはまだ早い時間だが、甘酒や焼き団子の匂いが漂ってくれば、思わず手が伸びそうになる。いやいや、まずは参拝が先だ。君と軒先をのぞく程度に留めて、朱塗りの大鳥居を潜る。
目の前にある石段を昇れば、再び鳥居と境内へ続く門が現れた。
門に入ればすぐに参拝待ちの行列があったので、二人で最後尾に並ぶ。
ご丁寧にも近くに「ここから約30分」といった立て看板があって、


「アトラクションみたいだね」


と、こっそり君に耳打ちして、頷き合ったりして。
しかし、待ち時間の目安が分かるのはありがたい。途中、交替で行列から抜けて、手水鉢で手を洗って口を漱ぐ。
ものすごく冷たい水だったけど、そこは我慢……。

境内は木々に囲まれているので、海沿いほど風は吹き付けない。
二人で話をしていれば30分なんてあっという間で、やがて俺たちの順番が回ってくる。
北神家としての参拝は元旦に済んでるから、
今から願うのは、君と共に生きるこれからについて

 
 家内安全
 子孫繁栄
 安産祈願…───は、まだ早いか


水の神様、水神様。どうぞ、われらをお守りください。
(6) vitamin-girl 2024/01/05(Fri) 0:22:38