【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-■感情書き換え(なし) マツリカ→ハテマ >>3>>4>>5に繋げて 先生は全然わかってない。 事も無げに“結婚しよう”と言われて、色々処理し損ねて固まってしまった私を押しのけて、彼は寝室に入って行った。 「っ……先生!」 後を追って、部屋に入り込む。 ベッドに横たわる先生はどこかひんやりとしていて…ちょっとこの世の物じゃないみたいで、背筋が冷えたけど。 気持ちを奮い立たせて、私はつかつかと歩み寄る。 「私はですね、ずっと言われてきました! 科学者には向いていない。 先生の助手にも向いていない。 産業スパイにだって向いていない。 目指すものになれなくて、私は向いていない事にばかり手を出しちゃう駄目な奴なのかなって思うくらい、ずっと、言われてきたんです」 先生は、こんな事考えた事も無いでしょう? だって、“手が届きそうで届かない”なんて凡人の悩みだもの。 傍から見たら所詮結果が出る訳でも無い、不合理的な事にも真面目に取り組んでは結局挫けるなんて、馬鹿のする事だもの。 (6) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:01:39 |