【人】 木峰 海斗[ やらしー、と、揶揄うようにケタケタ笑う友人。 一瞬で、なんのことか理解して、顔が熱くなる。 『海斗にも、ついに春がきたかー』なんて 茶化す声に、頭をがしがし掻いて] はぁ!? いや、別に……いーだろべつに はいはい、そんなかんじだよ [ 適当に肯定した。 “彼女”ではないけど、間違いでもない。 でも、こういう風に茶化されるのは、面倒だから あとで兄貴に言っておかねーとな そんなことを考えていると、 ぞく、と何か悪寒がした。 まわりに視線を向けるが、何もない ケラケラ笑っている友人たちがいるだけだ。 その時は、気のせいだってことにして、 そのことは、すぐに忘れてしまっていた。] (6) 2021/11/30(Tue) 20:00:56 |