【人】 高山 智恵 昨日の夜もさ、そうだったんだ。 カフェのドアに“ closed ”を掛けて、バイトの子たちと店内を掃除して片付けて、売り上げを整理して、SNSを更新して、帰る時にスマホの電源を入れて――。 チャットの通知が1件来ているのが目に入って。 ……もう一度スマホの画面を落として、歩いて家路に着く。 アパートの一室に帰って鍵を掛けて、スニーカーとコートを脱いで鞄をハンガーラックに掛けて、手洗いうがいして、冷蔵庫の中身を思い出しながらカーペットの上に座り込んで。 それから漸く、新着通知の内容を確かめる。 (6) 2022/10/17(Mon) 8:24:41 |