![]() | 【人】 月桂樹の下で ニコロ「〜♪」 行き交う人々に、笑い声。 美味しそうなパンの香りや扉の開くベルの音。 歩む足先が感じるのは乾いた石畳の感触で。 「よぉ!今日も景気が良さそうじゃねえか! 俺にも売ってくれよ!10個くらい!」 八百屋に掛ける声は慣れたもの。 りんごを袋いっぱいに買った男は機嫌よくそう言って。 手を振りながら、街を歩くのだった。 今日もこの街は “平和” なようだ。けれど、胸騒ぎがする。 「…何にも起こらなきゃ、一番なんだがなぁ。」 物乞いの子供に袋の中身を与えながら、男は思うのだった。 (7) ぴんじぃ 2023/09/02(Sat) 2:18:26 |