人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【人】 薄荷 アンジュ

「……賑わっていますね」

聖女様より祝福を受けた立場とは言え、商人であるなら仕事はきっちりしなければならない。
然程目立つ店構えでもなく、有名な店舗や店というわけでもない木端の小さな店主は薬草や薬の店を開いていた。
何かに選ばれた大層なお方という風にも見えない少女は、ともあればただの売り子とすら認識されそうな程こじんまりとしている。
煎じて飲む薬草から焚いて使うもの。流通に出回りにくいものから一般的なものまで取り揃えているものの。
如何せん大衆的には『祭りに来てまで買うものか?』と問われれば難しいのかもしれない。
つまるところ、あんまり売れていないようだった。

#メインストリート
(7) eiya 2024/01/31(Wed) 13:06:50