【人】 胡媚娘 メーニャン>>5ジャック うむ、聞いてくれるかカボチャの妖よ そうあれはまだ我にふさふさの耳と尻尾があった頃…… 私の住む山の麓の村は街となり、山道ができ、人がよく通るようになった。 そうすると馬車を狙って山賊が住むようになった。 山賊が狙うのは人間ばかりではない。山の御馳走もだ。 兎たちは山奥へ逃げる。私たちはそれを追いかける。しかし鹿や兎、うまい肉は山賊のみならず大勢の人間にどんどん狩られ始め、山は静かに貧しくなっていった。 その時私はすでに短い時間であれば人の姿に化けることができた。 化けて、化けて、また化けて。 山賊の手口よりは多少荒事も少なくすまぁとに。 人間の男共から食べ物を拝借し、病気がちで狩りが下手で一向に自立できない、狐失格の弟の世話をしてやっていたのだ (続く) (7) 2023/04/16(Sun) 17:59:57 |