[不思議な夢>>3を見始めて少しした頃。
私は母さんから不思議な話を聞いていた。
それは、元から顔も知らない私の父親は、若しかしたら人間ではなかったかもしれない、と言うこと。
私が不思議な夢を見るのはその為かもしれない事。
──単純に、私がかつての母さんと同じ経緯を辿っている、その可能性もあるかも知れないとも言われたけれど。
その、人間では無い存在は淫魔──らしい。
そしてこの宵月は、人間の間に存在する淫魔の為の学舎であるらしい。

らしい、らしい、と不確定な言い方ばかりしてしまうけれど──、だって確定的にはわからないことばかり。
確かに宵月では物陰で誰かがエッ…、な事をしていたりする気配を感じたりする。
私の夢も良い傾向になってるとは言い難い。
もし本当に淫魔の学校だったなら。そして私の父親が淫魔だったなら。それを把握されたからこそ、この場所にすんなり入れたのかも知れない。
違うかも知れない。
ただ不思議と、宵月は居心地が悪く無い。
　
時々、猛烈な飢餓感と言うべきか、乾いたような感覚に陥ることはあるけれど。]